先日のコンポストの記事でも挙げましたが、コンポストがうまく発酵しているかを判断する基準として、
- 温度が上がる
- 白カビが生える
- ゴミの分解が進む
という3点がありました。
温度は、一度30℃まで上がっていたものの、その後は気温+3〜5℃ くらいで、それほどどんどん高温になっていくわけでもありません。
生ゴミの分解も進んでいるのかどうか、イマイチよくわかりません。
これでうまくいっているのだろうか……と再び不安になっていた矢先、やっと白カビさんが生えてくれました!!
白カビが生えたら成功?!
前回は米ぬかを入れた2日後に温度が上がってきたため、もう一度米ぬかを混ぜて2日後。
朝、コンポストを開けてみたら白カビが生えていました!
(画像、見たくない方は飛ばしてくださいね。)
いろいろなコンポストについての解説を読むと、「白カビが生えたら成功」と書いてあります。
分解がうまくすすむと、たい肥の表面に白いカビが発生し温かくなります。良い分解が始まった証なので、カビは取り除かずによく混ぜましょう。
コンポスト容器で生ごみたい肥をつくる | 板橋区HPより引用
まさか、カビが生えて喜ぶ日が来るとは思ってもみませんでした。(笑)
コンポストの中の菌たち
では、なぜ白カビが生えると成功なのか、詳しく調べてみました。
どうやら、コンポストの発酵には段階があり、その段階に応じて活躍する菌の種類が変わってくるようなのです。
そして、白カビは発酵の第1段階で活躍する菌だということがわかりました。
発酵の第1段階:糸状菌
この白カビは、「糸状菌」と呼ばれるもので、発酵の初期に活発化し、分解しやすい炭水化物、脂質、タンパク質を分解します。
この糸状菌、15〜40℃程度の温度を好むので、常温で活発になります。
彼らが活動するとその呼吸で発熱し、温度が上がります。
そして温度が50℃以上に達すると、糸状菌の多くは死滅してしまうのだそうです。
すると、代わりに高温で活動する菌が活発になります。
発酵の第2段階:放線菌
コンポストの温度が50℃以上になると、今度は「放線菌」と呼ばれる、高温で増殖できる菌が活動し始めます。
放線菌は、落ち葉の裏についている白いものがそれで、土の匂いを発しているのはこの菌たちなのだそうです。
あと、抗生物質を作り出してくれる、大切な菌たちなんです。
彼らがさまざまな有機物を分解してくれる、発酵の主役。
第1段階で分解しづらかった繊維質などの分解が進みます。
この第2段階では、うまく発酵が進めば、温度が60〜70℃以上まで達することもあるようです。
この放線菌は、エサとなる有機物が少なくなると休眠します。
(死滅せず、活動が低下するだけで、また温度が上がると活動し始めるそうです。)
それとともにコンポスト内の温度も低下し、常温に近づいていきます。
発酵の第3段階:担子菌
再び温度が下がったわけですが、今度は第1段階とは違う種類の「担子菌」と呼ばれる菌が活動します。
担子菌とは、キノコの菌らしいです!
この担子菌が、リグニンという固い繊維質を分解していきます。
そして、この第3段階では温度が常温に下がってくるため、さまざまな微生物が繁殖し始め、だんだん堆肥として熟成していくのだそうです。
やっぱりコンポストって面白い!
あの単純なコンポストの中に、こんなにさまざまな菌たちが働いて、生ゴミを分解してくれているなんて、知りませんでした。
いわゆる発酵促進剤というものは、こういった発酵を行う菌を含んでいて、それをコンポストに配合することで、発酵を早める働きをするようです。
さて、こうして見て行くと、我が家のコンポストは第1段階が順調に進んでいるようです。
温度がやや上がっているのも、糸状菌がちゃんと活動してくれているからなんですね。
これからどんどん温度が上がって、発酵の第2段階に進んでくれるのが楽しみです。
こうして理解すると、ますますコンポストが面白く思えてきますし、励みになりますね。
また、温度が上がってきたらご報告したいと思います!
*1:参考:
堆肥ができるまで|深掘!土づくり考|土づくりのススメ|営農PLUS|農業|ヤンマー
東北大学大学院農学研究科先端農学センター 中井 裕教授「コンポスト(堆肥)の中の微生物たち」https://www.leio.or.jp/pdf/11/tcd20_p10.pdf
所沢市HP「家庭における生ごみの自家処理」https://www.city.tokorozawa.saitama.jp/kurashi/gomi/recycling/kouenkaisiryou.files/H29_danbo-rukonposuto.pdf
公益社団法人中央畜産会 藤原俊六郎「良い堆肥生産のポイント(2)」http://jlia.lin.gr.jp/cali/manage/122/s-semina/122ss2.htm